ケガした時の応急処置①『RICEはもう古い?』
怪我したときのRICE処置
スポーツをしている方や親御さんの中には『RICE処置』を聞いたことがある方もいらっしゃると思います。
打撲や捻挫、肉離れなどのいわゆる外傷を負ってしまった時の基本の応急処置として行われていたのがRICE処置です。
もう一度言います。
基本の応急処置として行われていたのがRICE処置です。
RICE処置とは
まずはRICE処置について詳しく説明していきます
RICE処置とはそれぞれの言葉の頭文字を並べたものです
- Rest・・・安静
- Ice・・・冷却
- Compression・・・圧迫
- Elevetion・・・挙上
この中でも多くの人は、安静と冷却を行うことが最も多いのではないでしょうか
圧迫は知識や経験がないと難しいですし、日常で挙上を保つことはなかなかできないですよね
また、怪我したらすぐ氷で冷やすは当たり前になっているので、RICEを知らない人でも安静と冷却は行う人が多いように思います
RICE処置は過去のもの
RICE処置は見直され、より早期回復するために新たな考え方(処置方法)に変更されました
それは
POLICE処置
です
- Protection・・・保護
- Optimal Loading・・・適切な負荷
ICEについてはRICEと変わらず
安静は除外されました
当院で捻挫や打撲、肉離れの施術を受けたことがある方ならわかると思いますが、私は「安静にしてください」とは言いません
どちらかというと、「痛くない範囲で可能な限り動いてください」「日常生活をできる限り普通に送ってください」とお伝えしています
それは、RICEからPOLICEに変わり、安静を保つより、適切な負荷をかけることのほうが早期回復・早期競技復帰につながるからです
負傷した部位を全く使わない状態が続くと、怪我からの回復や競技復帰が遅くなります
例えば足首の捻挫の場合、安静を保ちすぎると患部の浮腫が進行したり、浮腫の消失が遅くなり、完治に時間がかかることがあります
そのため患部を保護しながら少しずつ負荷をかけることで怪我からの早期回復が期待できます
これは捻挫だけではなく、打撲や肉離れでも同じです
保護の行い方は、テーピングや包帯などを使い、患部が必要以上に動かないようにしましょう
また、最適な負荷といっても、患部が痛い状態では負荷をかけるのには不安があります。
だからこそ専門家の意見を聞き、受傷後の症状や経過に応じた負荷をかけ、早期回復に努めていくことが大切になります
変わらない圧迫と挙上
圧迫
〈圧迫の行い方〉
受傷後は患部が腫れていきます。少しでも腫れを軽減させる方法として圧迫をする必要があります
圧迫に有効なものは、テーピングや包帯になります。足首の捻挫の場合は、くるぶしの周りにスポンジ素材のパッドを当ててその上からテーピングや包帯を行いましょう
そうすることでテーピングや包帯のみでは抑えきれないくるぶし周りの腫れを抑えることにつながります
スポーツ現場でパッドがない場合、アンダーラップを厚めに丸め代用したりしています
〈圧迫の必要性〉
腫れが起こるとことで、内部の組織の圧が高まり、血管は収縮してしまい血流が制限されてしまうことが考えられます。血液は栄養を運ぶ役割を持っていますが、血流の制限が起こることで、患部にいく栄養も制限されてしまいます。また、怪我による炎症物質も滞留してしまうことが考えられます。そのため、腫れが起きてしまっても圧迫することで、腫れを減らし、血流を確保します
そうすることで、負傷した組織に栄養を運び、早期回復につなげることができます
挙上
挙上も圧迫と同様の目的があります。心臓より高く患部を保つことで、血液の循環がよくなり、患部に炎症物質等が滞留するのを防ぐことができます
炎症期はなるべく、心臓より患部を高く保ちましょう
現代はPEACE&LOVE
実はPOLICEもRICE同様、過去のものとなりました
今、応急処置として最適とされているものは『PEACE&LOVE』です
これについては次の記事でご紹介していきますので、そちらをご覧ください
まとめ
今回は怪我の応急処置として行われてたRICE処置について書きました
専門家はRICE処置は過去のものとなり、今は違う考え方があることを知っています
しかしながら、一般の方にはあまり情報が届いておらず、RICE処置を行っている方たちもいます
昔の常識は今の非常識と言う言葉があるように、研究によりだんだんと応急処置の方法も変わってきています
最新の情報を常に取り入れ、怪我をしたときに的確にできるようにしていきましょう